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1.入札で勝つためのポイント

  中国では日本円で約100万円を超える生産財(設備やソフト含む)の導入は入札で行われます。特に国有企業の場合、設備は国有資産に所属することから厳格です。よく中国での入札の不透明さを指摘する声がありますが、一方で日本企業のプロモーション不足があることも確かです。

 

 中国の入札は商材を導入する企業が選択するのではなく、一般に投資公司が入札を組織します。例えば河南省であれば河南省投資公司というような名称の会社です。この投資公司は入札委員会を組織し、入札委員は全国の専門的有識者から選ばれます。工場が河南省であっても入札委員は四川省の設計院の専門家であったりします。そしてこれら入札委員会において導入設備の評価を行い、合議により選別し導入企業に推薦します。

 

 つまり入札で勝つためには入札に参加する専門家や設計院に対し、事前に日本の商品が如何に優れているかをPRする必要があるのです。しかし多くの日本企業は入札が公示されてから、ようやく動き出し、しかも設備導入会社の責任者を追いかけまわすものですから、非常に嫌がられるのです。もちろんどの設備を導入するかの最終決定権はその企業自身にありますが、入札委員会による推薦の仕組みがある限り、導入企業の総経理を追い掛け回しても無駄です。むしろ入札委員会を組織するのは投資公司であり、また評価するのは専門家ですから、日ごろから業界の専門家に対する製品認知度を高めておく必要があります。

 

 つまり専門家に対するマーケティングPRが重要ですが、入札委員に選出されたことのある某設計院の主任に「日本のこの企業の製品は知っているか」と質問したところ、企業はとても有名だが、この業界の設備を作っているのは知らなかったとの答えでした。こんなんでは日本のメーカーが落選するのはあたりまえなのですが、日ごろ、業界専門家へのPRをやっていない日本企業は落選する可能性が大きいことがわかっていても、会社の決定方針からともかく最後まで粘りますが、結果として当て馬の存在となってしまいます。

 

 ちなみに投資公司のトップは各省の発展計画委員会から派遣され、同委員会が人事権を持っています。また地区毎の製品の生産量は政府計画部門が策定し、コントロールしています。つまりどの会社にどれだけ増産させるか、また工場拡張設備導入なども基本は政府の指導の元で進めます。これはいつ頃設備を導入するかということと連動しているのです。業界の有識者のアドバイスや情報を得ることで、確実性の高いマーケティングが実現できるのです。

 

 最近の日経ビジネスに日系企業の成功事例が紹介されていました。天然ガスパイプラインで必要とする設備メーカーで、これらインフラ建設事業は中国政府の計画に直接関わっていることから、同社の日本人総経理は中国地方政府を訪問し情報収集に注力しているとの内容でした。言うまでもなくビジネスにおいて情報収集は成功するか否かの要ですが、こうした好例がある反面、かなり多くの企業が場当たり的に営業し失敗を繰り返しています。

 

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